平城遷都1300年にあたる2010年、平城宮跡に第一次大極殿正殿が往事の姿で復元された。
とにかく一見に如かずと見学に出かけた。
朱雀門を抜けると、1Km四方以上もある草原の広がりの中に、朱塗りの柱と大きな甍に、金色の首尾を戴いた大極殿が、青空に向かって立つ姿が現れる。(この光景を、時々電車が遮るのも、時代と歴史感覚を呼び覚ましてくれる。)
遺跡内部は、50年以上に及ぶ発掘調査によってもたらされた成果を「平城遺跡博物館基本構想」に基づいて、野外博物館として、整備がすすめられていると聞く。
広大な平城宮跡では、今も発掘調査が行われている。
夏草の中を歩いて巡る足の下にも、1300年前の人々の生きた証があるのだと思うと、草原のヨシキリヤケリの囀る声が、平城宮の住人たちのささやきにさえ聞こえる。
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